ホスピスの費用比較!ReHOPEと医心館の費用の違いとは
2024.12.02 2025.01.25
ホスピスの費用は会社や施設の場所によって異なります。ホスピスの費用そのものは家賃や施設管理費、食費などがありますが、その他にも医療保険や介護保険の対象となる訪問診療や訪問介護などを受ける場合別途費用がかかります。
今回は、東京都内のReHOPEと医心館の施設の費用を中心に解説します。医心館とReHOPEではその特色などに違いもあるため、費用はもちろん自身のニーズにあっているかもあわせて確認しましょう。
【この記事のポイント】
- 東京都内であれば医心館よりもReHOPEの方が相場は低め
- 自宅にいるように過ごしたければReHOPE、医療依存症が高ければ医心館がおすすめ
ホスピスに入居するとどれくらいの費用がかかる?
ここでいうホスピスは、緩和ケア病棟ではなく医療的なケアや介護サービスを受けられる施設です。そのため、施設を利用するにあたってかかる費用は入院費用ではなく家賃になります。
ホスピスを利用する場合、必ずかかる費用が家賃と施設管理費です。ホスピスは病院とは異なり1人部屋である場合が多く、その部屋に住むことになるためその家賃がかかります。施設管理費には、一般的に水道光熱費や空調費用、清掃費用、施設維持費などが含まれます。また、北海道や東北地方などの寒冷地では、冬の間は別途暖房費用がかかることが一般的です。
保険サービスなどの自己負担費用には訪問看護や介護費用が含まれ、日常的に受ける看護または介護サービスは、そのサービス内容に応じて費用がかかります。ただし、医療保険であれば年齢や収入に応じて費用の1〜3割負担のいずれかになり、また自己負担限度額も変わります。介護保険についても同様に、介護度や自己負担の割合に応じて自己負担限度額が変わるため、事前に確認しておきましょう。
ホスピスに入居する場合、これらの費用とは別途かかる費用として生活費や雑費があります。ホスピスで食事の提供を受ける場合食費がかかりますが、会社によって月々で請求される場合や1食ごとに請求される場合のいずれかです。また、寝具のレンタル費用やオプションとして洗濯代行なども依頼できます。
食費におやつ代が含まれる場合もありますが、入居者の希望や状態、施設のルールに応じて嗜好品などを別途希望する場合は、持ち込みも可能です。
ReHOPEと医心館の費用はどう違う?
ここでは、東京都内でホスピスサービスをおこなうReHOPEと医心館の費用を家賃・管理費・食費の3つの費用で比較していきます。
ReHOPEはこれからオープン予定の施設を含めて18の都道府県に47つの施設があり、東京都内で3つの施設が運営されています。一方、医心館は国内最大手であるため施設数が多く、33の都道府県に建設中の施設を含めると128の施設があります。うち東京都内にあるのは19の施設ですが、一部はまだ建築中です。
東京都内のReHOPEと医心館の月額費用の目安は以下のとおりです。なお、以下の月額費用のほかに、初期費用が発生する場合があります。初期費用は、各施設によって金額に差があるため、事前に施設に確認をするようにしましょう。
ReHOPE | 医心館 | |
家賃 | 40,000~77,000円 | 54,000~97,500円 |
施設管理費 | 43,100~64,120円 | 36,400~113,550円 |
食費 | 32,400~38,880円 | 35,640~62,700円 |
合計 | 115,500~180,000円 | 126,040~273,750円 |
参考:ReHOPE|東京都のサービス提供施設
参考:医心館|東京の医心館一覧
ReHOPEは施設や部屋の大きさによって家賃が異なる一方、医心館はそのほとんどが施設ごとに家賃が統一されています。地域によってもその差は大きいため、気になる施設がある場合はそれぞれ公式サイトなどから問い合わせましょう。
ReHOPEでかかる費用
上記で解説したように、東京都内のReHOPEの月額費用は約11万〜18万円です。ここに、訪問介護や訪問介護サービスの費用が上乗せされます。
ReHOPEの場合、入居にあたって支払う敷金などの一時金は原則ありませんが、施設によっては敷金が必要な場合があるため、気になる施設があれば事前に確認しておきましょう。
また、ReHOPEでは、オプションで寝具のレンタルや洗濯代行サービスが利用できます。寝具レンタル費用はどの施設も変わらず月3,300円で、洗濯代行サービスは施設により異なりますが月々5,000円前後で利用できます。
その他、おむつなどは、施設によって定額サービスが提供されているため、検討中の施設で対象かどうかは合わせて確認しておきましょう。
費用についての詳細は、以下の公式サイトにあるページをご確認ください。
ReHOPE|費用
医心館でかかる費用
医心館の場合、上記の表のとおり施設管理費の金額の幅が施設によってかなり大きいため、施設を選ぶ際にはよく確認が必要です。
管理費は施設によって大きな幅がありますが、東京都内で現在運用中の15の施設のうち10施設が月額47,500円、食費に関しても、ほとんどの施設で月額35,640円とある程度目安となる金額はあるようです。
また、医心館もReHOPEと同様、寝具(リネン)代や洗濯代行費用がかかりますが、こちらは日ごとで計算される施設が多く、施設によって費用が異なります。
おむつなど医療または介護消耗品の利用があれば定額または実費で請求されます。
費用についての詳細は、以下の公式サイトにあるページをご確認ください。
医心館サイト|費用 – 入居者の方へ
ReHOPEと医心館の基本サービスの比較
ここではReHOPEと医心館が提供している基本サービスについて紹介します。
ReHOPEの基本サービス
ReHOPEでは、がんや神経難病を患っている人の他、他では受け入れが難しい指定難病の方も受け入れています。具体的な受け入れの対象になっている疾患は以下のとおりです。
- 末期のがん
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋委縮性側索硬化症(ALS)
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- プリオン病
- パーキンソン病関連疾患
- 多系統萎縮症
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋委縮症
- 球脊髄性筋委縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頚髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
- 気管カニューレを挿入しているかた
また、ReHOPEで提供されている看護サービスは以下のとおりです。
- 麻薬管理・疼痛管理・神経ブロック
- 静脈点滴・皮下点滴
- 痰吸引
- 人工呼吸器・NPPV・TPPV
- 在宅酸素
- 気管切開
- 中心静脈栄養(ポート・カテーテル)
- 経管栄養(胃ろう・経鼻・腸ろう・経皮経食道胃管)
- 血糖チェック・インスリン注射
- 人工肛門・腎ろう 膀胱ろう・小腸ろう
- 導尿・膀胱留置カテーテル 膀胱洗浄・持続膀胱洗浄
- 褥瘡処置・創傷処置
- ドレナージ・腹水・ 胸水
- 腹膜透析
- 輸血
点滴など、食事ができない人の栄養補給のためのものも、状態に応じて食事を提供するなどフレキシブルに対応されるようです。
また、看護サービスだけでなく、入浴・排泄・食事を含めた日々の生活介助やリハビリのサポートを含めた介護サービスも提供されています。また、言葉を話せない入居者のためには、文字盤や意思疎通のための機器を使用しコミュニケーションができる体制も整っています。
医心館の基本サービス
医心館では、医療依存度が高い人を中心に受け入れています。公式ホームページでは対象疾患の表記はありませんでしたが、末期のがんや神経変性疾患を患っていたり、人工呼吸器や気管カニューレを装着していたりする人が受け入れの対象となっているようです。
医心館で提供されている看護サービスは以下のとおりです。
- 緩和ケア・疼痛管理(薬剤投与など)
- 栄養補給・輸液療法・経管栄養
- 人工呼吸器、酸素吸入
- 人工肛門・ウロストミー・尿管皮膚瘻・膀胱瘻・腎瘻の管理
- 褥瘡・自壊創処置
医心館の公式ホームページでは提供されている介護サービスの内容についての記載はありませんでしたが、介護士は常駐しており、看護師と介護士が連携してサービスを提供しているようです。詳しくは検討している施設などに直接確認しましょう。
ReHOPEと医心館それぞれの特徴・特色
ReHOPEと医心館はどちらもホスピスですが、その方針や特色に違いがあります。
自宅に近い環境でホスピスのケアが受けられることが強みであるReHOPEに対し、医心館はより医療依存度が高い人を対象に受け入れている施設です。
ReHOPEは自由度の高さと施設ごとの独自サービスに注目
ReHOPEはホスピス型「住宅」として部屋やサービスを提供しているホスピスです。そのため、より自宅に近い環境で専門的なケアを受けられるのが強みです。
入居する場合、入居者が住んでいる「各居室に看護師や介護士が訪問する」という形式をとっており、居室にはテレビなどを含め好きなものを持ち込めます。
あくまで自宅であるため、その自由度の高さが魅力であり面会時間も原則自由です。また、ペットの面会や家族の宿泊も可能です。ただし、施設によっては時間に制限がある場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
その他、施設によってはアロマセラピーなども実施されており、終末期の入居者のストレス軽減などに対しての取り組みも積極的に行われているようです。
専門性の高い技術を持つスタッフの教育にも力を入れているため、入居される方は質の高いケアを受けることもできるでしょう。
医心館は医療依存度が高い人が対象
上述したように、医心館ではより医療依存度が高い人を中心に受け入れられており、住宅型の「病床」を提供している施設です。
医師や薬剤師の機能を外部にアウトソーシングし、連携を密にとることでケアやサービスを提供することを前提としているため、医療的ケアの必要性がより高い人を積極的に受け入れています。
その分、医療依存度があまり高くない場合は他の施設を紹介される可能性もあります。
慢性期や終末期の24時間365日医療的ケアを受ける必要がある場合は年齢や介護度を問わずに受け入れられるようです。
参考:医心館|医心館の特徴
それぞれの施設の評判は?
ここではそれぞれの施設の実際の評判を紹介します。
ReHOPEの評判
ReHOPEは、対応の良さや施設への評価の高さが目立つ一方で、費用や通院時のサービスについて不安のコメントもありました。
スタッフの方達も気持ち良く対応してもらえます。あと、廊下が他の施設と比べて幅があり、廊下をリハビリで歩く人はイイですね。足こぎ車イスなんかでリハビリするにも最適です。
引用:Google|ReHOPE 浦和美園
95才の祖母が数ヶ月間お世話になりました。
スタッフの数も多く、とても親切で
安心してお願いする事が出来ました。
祖母の最後がReHOPE高崎で良かったと心から思っています。
これからのスタッフの方々の益々のご活躍をお祈りしています。
引用:Google|ReHOPE 高崎
静かで清潔で、お部屋も明るい雰囲気で良かったです、お風呂も機械浴や、部屋でも入浴可能とのことで良かったです。
丁寧な施設の説明と、こちらの要望や相談に対しても率直にお話下さり、不安が解消しました。
痛みや苦しみを、暖和する体制が取られていることに安心しました。
患者の時々の体調なども配慮した食事の考え方が有り良かったです。
他の施設等の料金はまだわからないのですが、かなりリーズナブルとお聞きしました、しかし年金だけでは無理な料金ですので、経済的に考えなければと思いました。
引用:みんなの介護|ReHOPE 墨田
ホスピスという事もあり、皆さん、居室に居られたので、入居者の様子はわかりませんでした。
対応して下さった施設長のお話しも分かり易かったですし、丁寧で親身になって考えていただき有り難かったです。
24時間体制で看護師さんが居られ、毎週1回、訪問医師が来られて看て下さるので、非常に安心です。
駅から近いため、親戚にも面会に来て貰いやすいです。また、通院している病院の裏なので、車椅子で散歩の延長のような感じで病院に行け、気分転換にもなりそうです。
コストの面では、正直、やはり高くて厳しいですが、色々なと親身になって考えて下さり助かりました。不満な事を言うと、通院時の送迎がないという事です。ただこれは、サ高住ではなく、ホスピスに重きを置いているので、仕方がないのでしょう。
引用:みんなの介護|ReHOPE 吹田
医心館の評判
医心館は手厚い看護がされるという、いい口コミが多い一方で、一部のスタッフの対応への不満も見受けられました。
80代後半末期癌の父を看取るために入居しました。意識がなくなってからも少しでもチアノーゼが減るように手をかけてくれ、呼吸が苦しくないように配慮してくれ、たくさん父に話しかけてくれたり手厚い看護をしていただきました。家族の不安にも相談にのってくださり、とても感謝しています。こういう施設は全国にたくさん出来てほしいです。最後まで本当にありがとうございました。
引用:Google|医心館 瑞江
2020年2月より3ヶ月間、母がお世話になりました。最初から最期まで職員の皆さんにとても良くしていただきました。母も「ここは寂しくない」といっており、安心だったと思います。ありがとうございました。
引用:Google|医心館 新横浜
身内がお世話になっているので、たまに面会に行くのですが、看護師が性格悪い。
全員ではないと思いますが、他のスタッフの悪口を言っているのをよく聞いたりします。
私も医療系で働いているので分からないこともないですが、
実際に聞くと不快になるし、身内もなにか言われてるのかなと嫌な気持ちになります。
せめて面会者や入居者に聞こえないように言ったらいかがでしょうか?
引用:Google|医心館 東戸塚
看護が全然いきわたって無くてこちらこら言わないと対応してくれなかったです!
安心して看取れなかったです!
施設に居る間、毎日辛くて全然家族に寄り添ってもらえなくて、行きたいのに行きづらかったです!
悔やまれる事がたくさんありました!
実態を良く見極めてから決めれば良かったと後悔です!
引用:Google|医心館 浜松
まとめ
今回はReHOPEと医心館の費用の違いやサービス内容の違いについてを中心にまとめました。
家賃そのものはReHOPEの方が若干安価になっている一方、管理費や食費に大きな違いはありませんでした。
ReHOPEは自宅で過ごすような快適さと施設ならではの安心感が大きな特徴です。自身の生活をあまり変えずに緩和ケアを受けたい人におすすめです。一方、より医療依存度が高い場合や医師との連携が強いところでケアを受けたい人は医心館があっているでしょう。
もちろん、個々の施設によって雰囲気や提供されているサービス内容に違いもあるため、この記事を参考にしながら気になる施設があれば話を聞きに行くなどしてよく検討してくださいね。
ホスピス施設で対応疾患数が多いランキング
対応疾患
末期の悪性腫瘍(がん)/重症筋無力症/スモン/筋萎縮性側索硬化症(ALS)/脊髄小脳変性症/ハンチントン病/進行性筋ジストロフィー症/プリオン病/パーキンソン病関連疾患/進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がII度又はIII度のもの/多系統萎縮症/線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群/亜急性硬化性全脳炎/ライソゾーム病/副腎白質ジストロフィー/脊髄性筋萎縮症/球脊髄性筋萎縮症/慢性炎症性脱髄性多発神経炎/後天性免疫不全症候群/頚髄損傷/人工呼吸器を使用している状態/気管カニューレを挿入している方など
※実際の対応可能な疾患は施設によって異なるため、施設に直接お問い合わせください。
FAQ
ホスピスの1ヶ月の費用はどのくらい?
ホスピスの入居費用はその施設によって大きく違いますが、家賃・管理費・食費をあわせると月々10万円から30万円ほどの費用がかかります。
これらの費用のほかに訪問介護や訪問看護などのサービスに対する支払いや生活費が加算されます。
詳しくは記事内「ReHOPEと医心館の費用はどう違う?」をご覧ください。
医心館に入居条件はある?
医心館は医療依存度が高い人が対象の施設であるため、介護度が高くても医療依存度が低ければ入居対象に入らないことがあります。
詳しくは記事内「医心館の基本サービス」をご覧ください。
ReHOPEで対応している疾患は?
ReHOPEでは末期のがんや神経難病などの疾患を中心に対応しています。
詳しい疾患名については記事内「ReHOPEの基本サービス」をご覧ください。