医心館の利用にかかる料金は?ホスピスの選び方とあわせて解説
2025.01.27 2025.01.27
ホスピスとは、病気の治療が困難になった人や家族が、苦痛を和らげながら最期の時間を過ごせる場所のことです。ホスピスの入居を検討する際、利用料金をあらかじめ把握しておきたいと考えることも多いのではないでしょうか。今回は、数あるホスピス施設の中から「医心館」に注目し、入居時にかかる費用について詳しく紹介します。
さらに、ReHOPEやファミリー・ホスピスなど他のホスピス施設の料金も取り上げています。医心館との比較を通じて、最適なホスピスを見つけるきっかけとしてください。
【この記事のポイント】
- 医心館の利用には賃料・管理費や食費、実費に加え介護保険・医療保険の自己負担額がかかる
- ReHOPEやファミリー・ホスピスなど、施設ごとに利用料金は異なる
- ホスピスを選ぶ際は料金だけでなくかかりつけ医への相談を行い、入居と在宅のメリット・デメリットを比較することが大切
医心館の利用にかかる料金
ここでは、医心館の利用にかかる以下の料金について解説します。
- 賃料・管理費
- 食費
- 実費
- 介護保険利用時の自己負担
- 医療保険利用時の自己負担
賃料・管理費
医心館の賃料や管理費は、選択する居室や施設によって異なります。管理費に含まれるのは、水道や電気などの光熱費に加え、施設内の備品維持に必要な費用などです。また、月の途中で入退去する場合は日割りで計算されます。
以下に、医心館の賃料・管理費の一部を例として掲載しているので、選定の参考にしてください。
都道府県 | 施設名 | 賃料 | 管理費 |
東京都 | 医心館 上板橋 | 55,800円 | 44,500円 |
東京都 | 医心館 祖師谷 | 82,500円 | 47,500円 |
東京都 | 医心館 高田馬場 | 87,500円 | 47,500円 |
神奈川県 | 医心館 日吉 | 60,000円 | 36,400円 |
千葉県 | 医心館 千葉駅前 | 51,000円 | 31,900円 |
埼玉県 | 医心館 所沢 | 47,000円 | 36,400円 |
大阪府 | 医心館 豊中 | 56,000円 | 36,400円 |
福岡県 | 医心館 六本松 | 55,000円 | 32,000円 |
北海道 | 医心館 東札幌 | 38,000円 | 30,200円 |
食費
医心館では、1日3食(朝・昼・夕)の食事を提供しており、費用は日ごとに計算されます。食事の内容や回数によって、費用が変動することもあります。
一方で、経管栄養などで経口摂取が難しい場合は、医療用栄養剤が使われるため、食費は発生しません。つまり、食事の提供方法によっては食費がかからないケースもあります。
具体的な食費については施設ごとに異なる可能性があるため、医心館に直接問い合わせることをおすすめします。
実費
医心館の利用には、賃料や管理費、食費に加え、いくつかの実費がかかります。おむつ代や洗濯代、リネン寝具の利用料が代表例です。実費に関しては、入居者の状況や利用頻度によって変動します。
実費が変動する主な要因は、おむつの種類や使用回数、洗濯物の量や頻度、リネン寝具の交換回数などです。
介護保険利用時の自己負担
医心館で介護保険を利用する場合の自己負担額は、提供されるサービスの種類や利用量、さらに要介護度によって異なります。介護保険制度では、受けたサービスに応じた費用の一部を入居者が負担する仕組みです。
自己負担の基本割合は1割ですが、所得に応じて2割または3割になることもあります。1割負担の場合の限度額は、以下を参考にしてください。
- 要支援1:5,032円
- 要支援2:10,531円
- 要介護1:16,765円
- 要介護2:19,705円
- 要介護3:27,048円
- 要介護4:30,938円
- 要介護5:36,217円
出典:医心館|費用
負担割合が2割または3割に該当する場合、限度額もそれぞれ2倍・3倍に引き上げられます。さらに、世帯の所得や自己負担額が一定の基準を超える場合には、自治体に申請することで「高額介護サービス費」の払い戻しを受けることが可能です。
医療保険利用時の自己負担
医心館で医療保険を利用する際の自己負担額は、年齢や所得、世帯の状況によって変動します。65歳以上で要支援・要介護認定を受けた方は、原則として介護保険を通じた訪問看護が提供されますが、特定の疾病や状態に該当する場合は医療保険を利用した訪問看護が適用されます。
自己負担を抑えるための仕組みとして「世帯合算」があり、同一世帯の医療保険加入者の自己負担額を合算することが可能です。また、医療費が一定額を超えた場合に負担を軽減する「多数回該当」という制度も利用できます。
さらに、70歳以上の場合は、外来医療費に対して上限額が設けられています。設定額については、一般の場合が18,000円(年間上限14.4万円)、住民税非課税の場合が8,000円です。
医心館以外のホスピス利用料との比較
医心館以外のホスピスでかかる料金には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、以下に挙げるホスピスの利用でかかる料金について解説します。なおここでは、東京都の施設に絞った料金を掲載しているので、その他の地域での料金を確認したい場合は各施設のHPにてお問い合わせください。
- ファミリー・ホスピス
- ReHOPE
- フレアス
- スーパーコート
ファミリー・ホスピス
都道府県 | 施設名 | 賃料 | 管理費 |
東京 | ファミリー・ホスピス荒川ハウス | 54,000〜150,000円 | 60,000〜121,000円 |
東京 | ファミリー・ホスピス高井戸ハウス | 94,000〜154,000円 | 100,000円 |
東京 | ファミリー・ホスピス二子玉川ハウス | 54,000〜450,000円 | 60,000〜151,000円 |
出典:ファミリー・ホスピス株式会社|2024年1月1日付料金改定
上記は、ファミリー・ホスピスの各施設およびプランに適用される、2024年1月1日以降の料金案内です。食費は30日分を基準に計算されており、医療費や介護保険の自己負担分は含まれていません。自己負担額は、個々の状況や利用するサービス内容に応じて異なります。
詳細な料金については、各施設へ直接お問い合わせください。
ReHOPE
都道府県 | 施設名 | 賃料 | 管理費 |
東京都 | ReHOPE 墨田 | がんのご入居者さま:70,000円 難病のご入居者さま:40,000円 |
64,000円 |
東京都 | ReHOPE 町田相原 | 54,000円 | 64,120円 |
東京都 | ReHOPE 南町田 | 53,000円~ | 43,100円 |
出典
ホスピス型住宅のReHOPE|ReHOPE 墨田
ホスピス型住宅のReHOPE|ReHOPE 町田相原
ホスピス型住宅のReHOPE|ReHOPE 南町田
ReHOPEの利用料金は、個々の事情に応じて変動しますが、多くの場合、合計で15万円から25万円程度が目安です。なお、訪問診療費や医薬品代は別途負担が必要です。
ReHOPEでは基本的に入居金は不要ですが、一部の施設では敷金が求められるケースもあります。詳細な費用については、各施設に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。
以下に、訪問介護・訪問看護など保険サービスを利用した際の月額自己負担額の目安を示した料金例を掲載しているので、検討の際にぜひ参考にしてください。
疾患・条件 | 要介護度 | 年齢・所得 | 自己負担割合 | 医療保険 | 介護保険 | 障害福祉サービス | 合計 |
がん末期 | 要介護2 | 後期高齢者 | 1割 | 18,000円 | 23,000円 | – | 41,000円 |
難病 | 要介護5 | 後期高齢者、市民税非課税(難病医療自己負担2,500円) | 1割 | 2,500円 | 43,000円 | 0円 | 45,500円 |
難病 | 要介護5 | 70歳未満、年収370万円以下 | 1割 | 10,000円 | 43,000円 | 9,300円 | 62,300円 |
フレアス
都道府県 | 施設名 | 賃料 | 管理費 |
東京 | フレアスメディカルケアホーム板橋西台 | 53,700円 | 30,000円 |
出典:フレアスメディカルケアホーム板橋西台
出典:フレアス|医療特化型療養施設(ホスピス)の料金について
上記の表ではフレアスの利用料金について概要を説明していますが、実際の費用は、個々の状況やサービス内容によって異なるため、あくまで参考程度に留めておいてください。
介護保険の自己負担割合は基本的に1割ですが、所得に応じて2割や3割になるケースもあます。また医療保険に関しても、自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。
スーパーコート
都道府県 | 施設名 | 賃料 | 管理費 |
東京都 | スーパー・コートプレミアム池田(80歳以上入居の場) | 0〜184,000円 | 120,000円 |
東京都 | スーパー・コートプレミアム池田(79歳以下入居の場合) | 0〜184,000円 | 120,000円 |
上記は、スーパーコートプレミアム池田の料金体系についてまとめた表です。入居時に支払う前払金は、一部がその場で償却され、残りの金額は月ごとに分割して償却されます。償却期間は以下のとおりです。
- 80歳以上:5年(60ヶ月)
- 79歳以下:7年(84ヶ月)
月々の利用料には、家賃・管理費・食材費・生活支援費が含まれており、安心して利用できます。ただし、介護保険や医療保険の自己負担分、居室の電気代は別途負担しなければなりません。また、オプションサービスを利用する場合、別途費用が発生するので留意ください。
料金だけではない?ホスピスを選ぶ際に重要なポイント
ホスピスを選ぶうえでは、料金だけでなく以下のポイントを意識することが重要です。
- かかりつけ医に相談する
- 病院側ではなく自分たちの意思で選択する
- 入居と在宅のメリット・デメリットを比較する
かかりつけ医に相談する
ホスピスの選択を進める際、かかりつけ医への相談が欠かせません。かかりつけ医は患者の病状や日常生活を深く理解しており、最適なホスピスを見極めるサポートをしてくれます。
ホスピスには、病院内の緩和ケア病棟や老人ホーム形式の施設、在宅ホスピスなど、多様な形態があります。また、施設の種類や提供されるサービスの内容に応じて、費用にも大きな違いが生じます。
施設の形態や費用などの要素を総合的に判断するためにも、かかりつけ医との話し合いが非常に重要です。
病院側ではなく自分たちの意思で選択する
ホスピスを選ぶ際は病院の判断に頼りすぎず、自分たちの意思を大切にすることも重要です。ホスピスは人生の最期を過ごす場所であり、できる限り入居者が自分らしい暮らしを実現できるよう、希望するケアや生活スタイルに合った施設を選ぶ必要があります。
医療機関によっては、経営の都合で患者を囲い込み、必ずしも患者の利益を優先しない場合もあります。そのため、病院からの提案に流されず、自分たちで丁寧に情報を集め、納得のいく決断をすることが重要です。
入居と在宅のメリット・デメリットを比較する
入居型施設と在宅ホスピスの特徴をしっかり比較することも、ホスピスを選ぶうえで大切です。入居型施設のメリットは、医師や看護師が常駐しているため、緊急時の対応がスムーズで、かつ家族の負担を軽減できる点です。
一方で、費用が高額になりやすく、面会や付き添いに制限がかかることがある点はデメリットといえます。
在宅ホスピスのメリットとしては、慣れ親しんだ環境で過ごせるため、本人も家族も精神的な安らぎを得やすいことが挙げられます。また、家族が自由に面会できるため、時間の制約がないのも大きな魅力です。
ただし、緊急時の対応が難しい場合があり、介護の負担が家族に重くのしかかるリスクも考慮する必要があります。
最終的な選択は、本人の希望や家族の状況、経済的な面を総合的に検討したうえで決断することが重要です。
まとめ
今回は、医心館をメインに、各ホスピスの料金について紹介しました。本記事を通じて医心館の料金を理解したうえで、自身や家族に合っているか判断してください。
なお、ホスピスに入居を決める際は施設ごとの料金だけでなく、かかりつけ医への相談や入居・在宅のメリット・デメリットを比較することも重要です。
また、各施設の特徴を理解した上で比較することが、最適な選択につながります。
例えば、ReHOPEは医心館に比べて、がん末期や神経難病などの医療依存度が高い方に特化しており、入居者のプライバシーを重視する傾向にあります。そのため、入居後の生活における充実度を重視する場合はReHOPEがおすすめです。
また、フレアスやスーパーコートなど、その他の施設も比較のうえ、本当に入居したいと感じるホスピスを選択しましょう。
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FAQ
医心館の利用にかかる料金は?
医心館の利用にかかる主な料金は、以下のとおりです。
- 賃料・管理費
- 食費
- 実費
- 介護保険利用時の自己負担
- 医療保険利用時の自己負担
なお、料金の内訳については各施設によって異なります。
詳しくは記事内「医心館の利用にかかる料金」をご覧ください。
医心館以外のホスピスはどれくらい料金がかかる?
例えばReHOPEの場合、個別の事情により変動するものの、およそ15〜25万円ほどかかるとされています。フレアスやスーパーコートも同様に、施設ごとに料金が異なるため別途問い合わせる必要があります。
詳しくは記事内「そのほかのホスピスの利用でかかる料金」をご覧ください。
ホスピスを選ぶ際は料金以外にも目を向ける必要がある?
ホスピスは料金だけではなく、かかりつけ医への相談内容や入居と在宅のメリット・デメリットの比較を通じて判断しましょう。また、病院側ではなく自分たちの意思で選択することも重要です。
詳しくは記事内「料金だけではない?ホスピスを選ぶ際に重要なポイント」をご覧ください。