ホスピスの費用比較!ReHOPEとファミリー・ホスピスの費用の違いとは
2025.01.25 2025.01.27
ホスピスの費用は会社や施設によっても異なります。ホスピスに入居する場合、家賃や施設管理費、食費などの費用がかかります。また、入居者の状態に応じて受ける医療的ケアや介護にかかる費用は別途、介護保険や医療保険の制度に応じて自己負担分を支払います。
今回は、東京都内にあるホスピス事業者であるReHOPEとファミリー・ホスピスの施設の費用を中心に解説します。ReHOPEとファミリー・ホスピスの費用の違いはもちろん、会社ごとの特徴についても解説するので、ホスピスを選ぶ際の参考にしてください。
【この記事のポイント】
- 東京都内であればファミリー・ホスピスよりもReHOPEの方がリーズナブル
- 自宅にいるように過ごしたい、またリハビリも積極的に行いたければReHOPEがおすすめ
- 生活支援に力を入れているところが良ければファミリー・ホスピスがおすすめ
ホスピスに入居した場合のひと月の費用目安
本記事でのホスピスは緩和ケア病棟などの医師が常駐する「病院」ではなく、介護や看護などのサービスが受けられる「施設」や「住宅」を指します。そのため、ホスピスを利用する際には入居という扱いになり、家賃を支払うことになります。
ホスピスに入居する場合に、固定費としてかかるのが家賃と施設管理費です。家賃は自身が入居する居室に対して支払い、施設管理費には多くの場合、清掃費用・水道光熱費・維持費・空調費用などが充てられます。また、冬の間に暖房が必要な地域であれば別途費用が請求される施設が多いです。
医療保険や介護保険制度を利用して受ける訪問看護や訪問介護の費用は、収入や年齢、介護度に応じて自己負担割合や限度額が異なるため、入居前に確認しておきましょう。
また、生活にかかる費用についてもよく確認しておきましょう。施設では食事が提供されていることが多いため、食事が可能であれば食費がかかります。また、寝具のレンタルや、洗濯の代行などのサービスを利用する場合も別途費用がかかります。
施設に支払う費用とは別に医師の診察を受ける場合も別途費用がかかります。
ReHOPEとファミリー・ホスピスの費用はどう違う?
ここでは、東京都内のReHOPEとファミリー・ホスピスの費用を家賃・管理費・食費の3つの費用で比較していきます。
ReHOPEは開業予定の施設を含めると全国に47の施設があり、東京都内の施設は3つです。一方、ファミリー・ホスピスは全国的には44の施設があり、東京都内では14の施設を運用しています。
東京都内のReHOPEとファミリー・ホスピスの費用目安は以下のとおりです。
ReHOPE | ファミリー・ホスピス (エコノミー・スタンダードプラン) |
|
家賃 | 40,000~77,000 | 52,000~80,000 |
管理費 | 43,100~64,120 | 57,000~120,000 |
食費 | 32,400~38,880 | 25,920~66,000 |
合計 | 115,500~180,000 | 134,920~266,000 |
ReHOPEは施設や部屋の大きさによって費用は異なりますが、食費を除きファミリー・ホスピスのスタンダードプランよりリーズナブルな価格設定となっています。
一方、ファミリー・ホスピスは、上記のエコノミープランやスタンダードプランのほかにデラックスプランやプレミアムプランが設定されている施設もあり、その金額は家賃で90,000円から450,000円とその部屋によって大きな差があります。
ReHOPEでかかる費用
東京都内でReHOPEを利用する場合、食費を含めた固定費用は約11万〜18万円です。
この固定費用のほかに訪問看護や介護費用の自己負担分が追加されます。
ReHOPEは原則敷金などは不要ですが、施設によって違いがあるため、事前に確認しましょう。
また、ReHOPEでは、寝具レンタルや洗濯代行サービスのオプションがあります。寝具レンタルは一律3,300円ですが、洗濯代行費用は施設によって費用が異なり、約5,000円前後で利用可能です。
おむつなどの消耗品は、施設によって実費負担または定額支払いのいづれかになります。実際の費用がどのくらいになるのかは、事前に施設に問い合わせも可能です。
【参考】
ファミリー・ホスピスでかかる費用
ファミリー・ホスピスは、施設だけでなくそのプランによっても価格が大きく変わります。エコノミープランであればReHOPEよりもリーズナブルですが、スタンダードプランやそれ以上のプランを利用する場合、固定費だけで20万円を超える場合もあります。
実際に入居を検討する際には、どの部屋がいくらなのかなどをよく確認しましょう。
管理費用も家賃同様プランによって異なるため、気になる部屋があれば固定費がいくらになるのかの確認は必須です。ただし、食費は一律25,920円とReHOPEよりも安価で提供されています。
なお、ファミリー・ホスピスでは、入居時の費用として「らいふプラン作成費」がかかる施設が多くあります。「らいふプラン作成費」とは、入居後の生活をサポートするためのプラン作成費用で、費用は税込220,000円です。
施設によっては管理費ではなく共益費や生活支援基本サービス費などが設定されており、施設によって費用は大きく変わります。
また、ファミリー・ホスピスでもReHOPEと同様に医療費や介護費用は利用した分の費用のうち、自己負担割合や限度額にあわせた金額が別途かかります。
ファミリー・ホスピスでも、寝具やタオルなどのレンタルを提供してますが、施設によって金額が異なるため、事前によく確認しておきましょう。
【参考】
ReHOPEの基本サービス
ReHOPEでは、がんや神経難病を患っている人を中心に受け入れており、受け入れの対象になっている疾患は以下のとおりです。
- 末期のがん
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋委縮性側索硬化症(ALS)
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- プリオン病
- パーキンソン病関連疾患
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、及びパーキンソン病多系統萎縮症
- 線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋委縮症
- 球脊髄性筋委縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頚髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
- 気管カニューレを挿入しているかた
引用:ReHOPE|ご提供可能な看護介護サービス
ReHOPEで提供されている看護サービスは以下のとおりです。
- 麻薬管理・疼痛管理・神経ブロック
- 静脈点滴・皮下点滴
- 痰吸引
- 人工呼吸器・NPPV・TPPV
- 在宅酸素
- 気管切開
- 中心静脈栄養(ポート・カテーテル)
- 経管栄養(胃ろう・経鼻・腸ろう・経皮経食道胃管)
- 血糖チェック・インスリン注射
- 人工肛門・腎ろう 膀胱ろう・小腸ろう
- 導尿・膀胱留置カテーテル 膀胱洗浄・持続膀胱洗浄
- 褥瘡処置・創傷処置
- ドレナージ・腹水・ 胸水
- 腹膜透析
- 輸血
食事をできない入居者には点滴や経管栄養などにも対応していますが、状態に応じて食事ができるようにするなどの配慮もされています。
入浴・排泄・食事などの生活介助はもちろん、リハビリなども介護サービスとして提供されています。また、文字盤や意思疎通のための機器も完備されているため、言葉を発することができなくてもコミュニケーションが可能です。
ファミリー・ホスピスの基本サービス
ファミリー・ホスピスもReHOPE同様、末期のがんや神経難病を患っている人を中心に入居者を受け入れています。
対象疾患は施設によって異なりますが、公式ホームページでは以下の疾患が入居対象となっています。
- 末期のがん
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- パーキンソン病
- 多系統萎縮症
- 脊髄小脳変性症
- 神経免疫疾患
ファミリー・ホスピスで提供されている看護サービスは以下のとおりです。
- インシュリン投与
- 胃ろう
- 気管切開
- 経管栄養
- 在宅酸素
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- たん吸引
- 中心静脈栄養
- 尿道カテーテル
- ストーマ
- 床ずれ
- 人工呼吸器
- 脳血管疾患
- がん
ファミリー・ホスピスの公式ホームページでは、介護サービスの詳細に関しての記載はありませんでしたが、排泄・入浴・食事を充実させる取り組みが行われているようです。
それぞれの特徴・特色
ReHOPEとファミリー・ホスピスはどちらもホスピスですが、その方針や特色に違いがあります。
自宅に近い環境でホスピスのケアが受けられることが強みであるReHOPEに対し、ファミリー・ホスピスは生活支援に力を入れている施設です。
ReHOPEは自由度の高さや入居者の希望を叶える体制が特徴
ReHOPEは各居室を住宅として提供しており、各居室に看護師や介護士が訪問するという形を取っています。
あくまでも自宅であるため、テレビなどの持ち込みはもちろん、居室内での面会に時間制限は原則ありません。また、ペットとの面会も可能です。ただし、施設によっては時間に制限がある場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
施設によっては毎月理美容師がくるため、身だしなみを整えたくとも外出が難しい入居者はここでヘアカットなども受けられます。ほかにも希望があれば体調や状態に応じて希望をかなえられるように相談できるようです。
ファミリー・ホスピスは生活の支援が充実
ファミリー・ホスピスでは生活支援に力を入れており、入居者の排泄・入浴・食事の面での支援や設備が整えられています。
トイレに関しては全居室に完備されており、トイレで排泄したい入居者が最後まで自身のタイミングでトイレに行きやすい環境です。
入浴に関しても、ミスト浴や機械浴など体が自由に動かせない人や浴槽につかることができない人でも安心して入浴できる設備が整っており、個浴にも対応しています。
食事は通常食に加え、ムース食やペースト食など入居者の状態に合わせた食事はもちろん、イベントに合わせた食事なども提供されており、季節を楽しめるような工夫がされています。
それぞれの施設の評判は?
ここではそれぞれの施設の実際の評判を紹介します。
ReHOPEの評判
ReHOPEは、施設やスタッフが充実していることへの好意的なコメントが多く見られました。費用については良心的だというコメントがある一方で、少しでも安価になることを望む声もあります。また、受け入れの条件に合わずに入居を断られてしまうケースもあるようです。
入居に当たって共同生活する事が初めてで不安でしたが、入居をしてみたらプライベートな空間もあり、自由に過ごせているので安心して生活しています。
施設が新しくきれいでした。他の入居者とはお会いしませんでした。
わかりやすい説明をいただきました。施設スタッフも感じが良かったです。
看護師、介護士ともにスタッフの人数が多いのにおどろき安心しました。
自宅から近いのが嬉しいです。入浴施設が良かったです。
年金だけではまかなえない金額なので少しでも安くなると助かります。
看護師、介護師さんが身近に感じられ、アットホームな印象でした。
トータルに掛かる費用など、分かりやすく非常に丁寧な説明でした。
24時間、介護師、看護師さんが常駐しているとのことで、安心感があります。日中では介護師、看護師で10名で対応しているとのことで、サービスにも期待が持てそうでした。
最寄りの駅から若干遠いとの印象です。都バスの最寄りの停留所からは、歩いて12分程度は掛かると思います。
この施設、設備、介護、看護体制からすればリーズナブルかと思いました。
スタッフさんとのお話だけだったので、入居者の方の様子は分かりません。
親切でわかりやすく説明していただきました。
サービス、サポート共にとても良いと感じました。
駅から近いですが、入口が分かりづらかったです。
手厚いケアがあり、適正価格かと。入居受け入れ条件に合わず残念です。
ファミリー・ホスピスの評判
ファミリー・ホスピスは食事や設備への満足度が高く、また対応の良さについても高評価を得ています。それと同時に、金額の高さやリハビリ環境の少なさへの不満も見られます。
入居者だけでなく、家族にも優しい環境の施設だと感動しました。
丁寧な対応で細かな質問にも適宜対応していただけました。館内も案内いただけました。
訪問看護だけでなく、リハビリも充実しているとよりよいかなと思いました。
月額については少し高めの設定に感じましたが、スタッフの質やサービスが充実していたら満足です。
説明も丁寧にして下さいました。施設に入所したままで現在利用している介護サービスも点数の範囲で今までどおり利用できるとのことでした。見せていただいた部屋は、洗面とトイレが付いているので不便はないと思いました。外出や外泊も自由で面会も出来るので安心感があります。入居者の方はみかけませんでした。
説明も丁寧にわかりやすくして下さりました。こちらの質問にも費用などにおうじた部屋を見学させてもらいました。
入居施設に付随して介護事業所訪問看護事業所があり便利だと思いました。リハビリも点数の範囲内で頼めるそうでした。
食事は普通だと思います。写真で味はわからないですが身体の状況できざみ食とか調整してくれるようです。レクリエーションも季節のイベントとして多少あるようです。
入居時にかかる費用は少し高いと思います。月額利用料は近隣の施設の相場と同じくらいです。
施設への訪問リハビリ等は行ってる方がいらっしゃらないそうで、自治体によって差があるのかなと感じた。 入所を考えてる親族は、今まで東京や相模原市でも訪問リハビリは受けていたので、少し心配になりました。
説明も丁寧にして下さいました。施設に入所したままで現在利用している介護サービスも点数の範囲で今までどおり利用できるとのことでした。見せていただいた部屋は、洗面とトイレが付いているので不便はないと思いました。外出や外泊も自由で面会も出来るので安心感があります。入居者の方はみかけませんでした。
説明も丁寧にわかりやすくして下さりました。こちらの質問にも費用などにおうじた部屋を見学させてもらいました。
入居施設に付随して介護事業所訪問看護事業所があり便利だと思いました。リハビリも点数の範囲内で頼めるそうでした。
食事は普通だと思います。写真で味はわからないですが身体の状況できざみ食とか調整してくれるようです。レクリエーションも季節のイベントとして多少あるようです。
入居時にかかる費用は少し高いと思います。月額利用料は近隣の施設の相場と同じくらいです。
まとめ
今回はReHOPEとファミリー・ホスピスの費用の違いやサービス内容の違いについてを中心にまとめました。
ファミリー・ホスピスはプランによって大きく費用が異なり、全体的にはReHOPEの方がリーズナブルな価格設定になっています。
また、ReHOPEはリハビリも積極的におこなっているなか、ファミリー・ホスピスはリハビリの少なさに不安の声もありました。
施設としてはどちらも満足度が高いため、自身の優先順位や希望をよく考えたうえでより希望に沿う施設を探しましょう。
FAQ
ホスピスの1ヶ月の費用は?
ホスピスの入居費用はその施設によって大きく違いますが、家賃・管理費・食費をあわせると月々10万円から30万円ほどの費用がかかります。
上記の固定費のほかに、訪問介護や訪問看護の利用料や寝具などのレンタル費用、洗濯代行費用などのオプションを利用した分の費用がかかります。
詳しくは記事内「ホスピスに入居した場合のひと月の費用目安」をご覧ください。
ファミリー・ホスピスの入居費用は?
ファミリー・ホスピスは施設やプランによって固定費用が異なりますが、比較的安価なエコノミープランやスタンダードプランで130,000~260,000円程です。
この他に、入居時に作成する「らいふプラン作成費」として220,000円かかります。
詳しくは記事内「ファミリー・ホスピスでかかる費用」をご覧ください。
ReHOPEの入居費用は?
東京都内のReHOPEに入居する場合、月々の費用は110,000~180,000円程度です。
このほかに医療費や介護費用の自己負担分の支払いがあります。寝具をレンタルしたり洗濯を依頼する場合は別途費用がかかります。
詳しい疾患名については記事内「ReHOPEでかかる費用」をご覧ください。